昆貢調教師、「乗れる騎手なのに、乗せてもらえないのはかわいそう。俺は日本のジョッキーでG1も取ってきている」

スポンサーリンク

サマー２０００シリーズ第２戦、第５５回函館記念・Ｇ３は１４日に行われ、逃げの手に出た１番人気のマイスタイルがゴール前でマイネルファンロンを差し返して、重賞初制覇を決めた。騎乗していた田中勝春騎手（４８）＝美浦・フリー＝は自身４年ぶりの重賞勝ちで、区切りのＪＲＡ通算重賞５０勝目を飾った。

こらえていた悔しさのぶんだけ、久々に味わう美酒の喜びは大きかった。マイスタイルを重賞初制覇に導いた田中勝は、検量室前に引き揚げてくると、多くのジョッキーや関係者から温かく祝福された。「去年、この馬を昆先生から頼まれた時に『一緒に重賞を勝ちたい』と言われていた。やっと結果を出せてよかった」と満面の“カッチースマイル”。１５年の福島牝馬Ｓ（スイートサルサ）以来４年ぶり、自身の重賞７６連敗を止めて、節目のＪＲＡ重賞通算５０勝目をやっとつかんだ。

内の４番枠から好発を決めて、１０００メートル通過は５９秒８とよどみないペースで逃げを打った。直線では２番手のマイネルファンロンにかわされかけたが、叩き合いの末に再び盛り返して首差で突き放した。「ブリンカー効果もあるし、気持ちも強くなって差し返す根性があった。持ち味が生きた」と、ベテランの手綱さばきがさえ渡った。

マイスタイルを生産した北海道新ひだか町の猪野毛牧場は、父・春美さんが経営する牧場の“お隣さん”。「子供の頃からご飯食べたり遊びに行ったりしていたので、思い入れが強かった。思いが現実になってよかった」と、深い縁にも導かれていた。

０７年に自己最多の年間１０８勝を挙げたが、外国人ジョッキーが台頭した近年は乗り鞍も減り、過去３年は３０勝以下と思うような結果を残せていなかった。昆調教師は「乗れる騎手なのに、乗せてもらえないのはかわいそう。俺は日本のジョッキーでＧ１も取ってきている」と、確かな経験と技術を評価する。

秋に向けて、昆師はマイルＣＳ（１１月１７日、京都）を目標に挙げた。「ここで勝ったことで馬も自信を持って成長すると思う」と田中勝。さらに大きなタイトルへ、人馬ともに“私の生き方”を貫く。（坂本　達洋）

◆マイスタイル　父ハーツクライ、母ファーストナイナー（父フォーティナイナー）。栗東・昆貢厩舎所属の牡５歳。北海道新ひだか町・猪野毛牧場の生産。通算戦績は２１戦５勝。総収得賞金は２億２５万６０００円。重賞は初勝利。馬主は寺田千代乃氏。

引用元：ヤフー【https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190714-00000204-sph-horse】

スポンサーリンク

スポンサーリンク