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「なんで勝った俺が謝らないとアカンねん!」こう大声で言い捨て、囲み取材から溜息を吐きながら去った岩田康誠騎手。
検量室には、不穏な空気がこだましていた。
この彼の言葉を後ろ背に聞いた瞬間、藤田菜七子騎手が堪えていた涙を一筋流した・・・。
単勝1倍台、1番人気、コパノキッキングの実績は出走馬の中でも一枚、二枚は抜けた存在。
先行策が指示だったとはいえ、3人気だった逃げ馬も捕えられず3着に敗れた結果はもう覆す事ができない。
勝ったのは、前走北海道スプリントを圧勝をしたヤマニンアンプリメ、鞍上は嘗て「地方の鬼」、「勝つ為ならダーティーさも売り」、と言われ中央でも年間GI6勝をする等、名実ともに「地方の雄」と恐れられたベテラン名手岩田康誠。
今は嘗ての頃からは見る影もない成績に甘んじているが、タフなコースでの騎乗は経験値が物を言うレース。
「経験値の差で負けた」と競馬ファンが思うのも仕方あるまい。
コパノキッキングの馬主であるDr.コパ氏は、「今年は菜七子に重賞を勝たせる年、その為ならなんでもやる」と我々記者陣に早くから公言して来ていた。
コパノキッキングとは3回コンビを組んだが、未だ勝ち星は挙げられていない。
にも関わらず、コンビ継続を発表し、次走の東京盃で藤田菜七子騎手に重賞制覇をさせんだ、と一貫した姿勢を崩さない。
この様な馬主に恵まれたのもまた、藤田菜七子騎手の人徳のなせる技だろうか・・・。
しかし、騎手目線の立場はまた違うのかもしれない。
岩田康誠騎手の様に、鬱憤が溜まる騎手は他にも存在している。
これは、藤田菜七子騎手の宿命と片付けて良いのだろうか・・・。
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競馬全盛時にデビューをし、誰もが認める知名度と実績を誇る「競馬界のスーパースター」武豊騎手に取材をした。
「ヒロシゲゴールドではなく、ナナコさんのこと?(笑)」と、
こちらが何を聞き出したいのか、もう分かってるよと言わんばかりの笑みを見せて口を開いた武豊騎手。
「僕は日本一、1番人気で負けてるんじゃないかな?
騎手にとって一番辛いのは、関係者の期待に応えられない結果の時です。
例えその馬の人気が、1番人気ではなくてもね。
ナナコさんは色んな面で注目をされてしまう、という点では不憫かもしれませんが、同業の僕から言わせてもらえば、それはマイナスでも可哀想でもないんですよ。
これだけ自分に期待をかけてくれている関係者、競馬ファンの皆様の声を貰えるのは、一握りの騎手だけ。
その過程がどうであるにしろ、騎手として今後飛躍する為の大きなチャンスがそこにある。
プロはレースに出れなきゃ評価も批評もされません。
そして、必ずしも結果を100%出し続けるなんて事も、競馬という生き物が走る、不確定要素の多い競技では不可能です。
そんな理屈は競馬ファンの万人には通じません、だってお金を賭けているワケだからね。
お金を賭けるのが自己責任になるからこそ、ファンは理屈で理解をしたくない、プロでさえ分からない事だらけなのに外野はもっと分からない、馬券を外したら特に分かりたくない感情もある。
だから競馬は、確実に勝てる儲かる競技ではないでしょう。
あまりにも不確定要素が多過ぎるから。
だからこそ、我々は勝っていかないとならない。
馬券を買って自分の予想が当たった時のあの高揚感と達成感、推理をして正解に辿り着く面白さ、それと似た感覚ですよね。
例えその予想と結果の本質が違っていたとしても、お金、勝敗、という目に見える対価比があるのが競馬です。
購入者は長いスパンで見れば、損をする方が多いかもしれない、でもそれでも競馬をやめられない人も多くいる、これは僕個人としても同じです。
勝った時のあの何にも変え難い興奮と喜び、達成感というのは共通しているかもしれませんね。
だから僕はずっと騎手でいたいと思うし、正確に分かり合えないからこそ謎を解きたくなる、競馬の未知な部分を知ってもっともっと解明したくなる、こんなに面白い競技はないと個人的に思っています。
だからナナコさんにも言いましたよ。
「君が負ける度に、競馬ファンは君の事を、競馬をもっと知りたくなるんだよ。その答えは、君がこれから何年も懸けて、ゆっくりと証明していく事になるから。」、とね。」
やはり武豊騎手は、「武豊」なんだと改めて思った言葉であった。
「経験値の差で負けた」、なんて安易な言葉で形容したらいけないと改めて反省もした。
そして、これも見逃さなかった。
藤田菜七子騎手がDr.コパ氏の元へ行く前、先程鬱憤を吐き出していた岩田康誠騎手が、ポンと藤田菜七子騎手の肩に手を乗せて励ましの言葉を送っていたこと。
これもまた、藤田菜七子騎手の人徳のなせる技に違いない。
これだけの名手とレジェンドからも愛される藤田菜七子騎手。
武豊騎手が放ったあの言葉の意味を、これから何年も懸けて彼女は証明していくに違いないと、
Dr.コパ氏や村山調教師の前で先程流した涙の筋さえ見せず、堂々と前を向いていた彼女の姿を見て私は実感した。
夕暮れ空はもう、夜空にさしかかりそうな程うっすらと星の瞬きが見え隠れしていた。
今はまだうっすらと薄くとも、時間と共に光の強さが増してくるであろうこの星達の瞬きを、これからも競馬に携わる人間として見続けていきたい。」
これからも菜七子を応援する
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成長したなw
岩田は相変わらず根は優しい
やっぱり泣いてたんか
菜七子は下手とか、うっかり本音言ったら袋叩きにあうからな。
ここは建前と偽善が一番
うまくなればいいさ
菜七子は一時的なフィーバーで終わらなかったのはとても良いこと
最初だけ注目されて鳴かず飛ばずの人は競馬に限らず沢山いる
デビューから4年経って年々成績を上げてファンを飽きさせずどんどん活躍の舞台のレベルが上がっている
今年のフェブラリーSは菜七子効果で売上は前年より20億増
今や武豊に代わる新しいJRAの顔になりつつある
>今年のフェブラリーSは菜七子効果で売上は前年より20億増
これ凄いことなんだよな
20億円も売上を増やすって普通じゃない
客寄せパンダになれる騎手なんていないからな
もうこうなるのは宿命だと本人は解ってると思う
他に女性騎手が誕生するまで
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